留学後にも色々な手続きが待っています。
1) 移民局手続き
まずフランスに到着したら、移民局の手続きをする必要があります。この手続きを怠ると、学生ビザの期限(最大1年)が
3ヶ月で切れてしまいます。(フランス到着3ヶ月以内にこの手続き行うことが求められます)
この手続きは各県庁(パリの場合はパリ、リヨンの場合はリヨン、僕の場合はヴィシーだったので、Auvergneの県庁の
クレルモンフェラン)で手続きを行います。これは2年目以降に更新する際にも同じです。
僕自身の場合について書こうを思います。通っていた語学学校がかなり大きいところだったので、基本的にはこの学校の
事務の人と手続きを進めました。
まずビザ申請時に書いた移民局提出用紙を学校に提出すると、それを移民局(クレルモンフェラン)まで郵送してくれます。
その後1〜2週間後に手紙が来て、そこに今後の手続きに関することが書かれています。
まず、移民局が予約した日時にヴィシーにある病院にいってレント ゲン写真を撮ります。
そしてその後これもまた予約された日時にクレルモンフェランにいって、健康診断を受けます。
この健康診断では最近ワクチン接種をしたかなどを訊かれ、ここ10年以内にワクチン接種を行っていない場合には
(日本人の多くの場合は)そこでワクチン接種を行います。
これら病院関係のことが終わったら、最後に全ての書類をクレルモンフェランの移民局に提出すれば手続きは終わりです。
僕の場合は、このクレルモンフェランでの手続きは病院と移民局を合わせて一日で終わりました。
これでようやく一年間無事に滞在することができます。
また、一年後にビザの更新をする際には、同じ手続きを行います。(引越した場合にはその引越し先の県庁で)
2) フランス政府奨学金の手続き
フランス政府奨学金に合格している場合の、フランス国内での手続きについて説明します。
まずフランスに着いたら、奨学金の給費が始まる前に、現地の担当者と会う必要があります。
僕自身の場合では、フランス到着が4月初めで、給費開始が9月(その間は給費非対象の語学研修)だったので、
9月初めに現地担当者(在日フランス大使館の方から、担当者の名前と住所、メールアドレスが送られます)
の方と会いました。このときに在日フランス大使館から受け取った書類を提出します。
この手続きを踏んでから、ようやくフランス政府給費生として認められ、その月から給費が開始されます。
この時に給費の証明書(その後学校などに提出する必要あり)や、Sécurité Sociale (保険)の説明を受けます。
基本的にはこの一回の面会で全ての手続きが終わりますが、その後も色々と質問や途中経過の報告書なども
あるので、この担当者の方とはメールでやりとりを続けていきます。
フランス政府奨学金は、2年目に更新することを希望することができます。
もちろん必ず更新できるとは限らず、またたとえ更新できたとしても社会保険料と学費の免除のみであることもあります。
更新の手続きとしては、2~3月頃に奨学金の現地担当者の方から郵送で勉学進行状況報告の書類などと一緒に
奨学金更新願いの書類が届きます。(ただし、僕の場合には理由は分かりませんがこの書類が来なかったので、
在日フランス大使館の奨学金担当者の方に色々と更新願いに関して助けていただきました。)
普通であればこの書類が届くので、それに従って書類を送れば大丈夫です。結果は6月中旬頃に分かります。
3) 銀行口座の開設
一年以上フランスに滞在するのであれば、銀行口座を開設した方がいいでしょう。
携帯電話の契約をするときや、奨学金の受け取り、家賃の支払いの小切手の発行、
住宅保険の申し込み、電車の定期券の購入などの際に必要になってきます。
ただ、何かと手続きは大変です。
まず開設手続きのための予約を取ります(日本と違って、直接銀行に行っても開設できません)
次に、予約の日時に銀行に行って、必要な書類を提出します。
(パスポートや学校の在学証明書、住居証明書、奨学金などの資金の証明書など)
そして必要書類にサインをすれば開設できます。
僕はこの手続きでもめて、結局口座開設までに1ヶ月以上かかりました。(この話はブログで。)
そのため、出来れば開設時にフランス人について来てもらう、あるいは日本人行人のいる銀行で開設するのをおすすめします。
日本人の行員のいる銀行は、(パリのみ)
Caisse d’Epargne (日本人の行員がいるのはルーブル支店)
Le Credit Lyonnais (日本人の行員がいるのはピラミッド支店)
です。これらの銀行では手続きを日本人が対応してくれるので、安心です。他にはフランスでは、
Credit Agricole
BNP Paribas
Societe Generale
などの銀行があります。日本と違って、基本的に手続きはその申し込んだ支店でのみ受け付けるので、
自分の住んでいる町にある便利なところで申し込んだ方が良さそうです。
また、フランスでは口座維持手数料や Carte Bleue(キャッシュカードとクレジットカードを合わせたもの)
手数料が月々かかりますが、ATMでの時間外引き出し手数料などはありません。
学生であれば、口座維持手数料無料のキャンペーンも多く、色々な銀行のキャンペーン内容をよく確認した方がいいです。
銀行口座の閉め方ですが、これは各銀行ごとに異なるようです。基本的には帰国前に早めに自分の支店に連絡をし、
アポを取ってから担当者と口座を閉める手続きを行います。
ただし、ポンゼショセ近くの Société Générale ではその場ですぐできました!!
必要なものは口座を閉める旨を書いた書類(所定のもの)、小切手、カルトブルー(クレジットとキャッシュ機能のついたカード)
などです。手続きにかかる時間はほんの数分から10分ほどです。
4) 携帯電話の契約
携帯電話には種類が2つあります。一つはプリペイド式で、もう一つは契約型です。
プリペイド式はとても簡単で、各携帯電話会社や郵便局、あるいはタバコ屋やスーパーマーケットなどで買えます。
大抵の場合本体とセットになって売っていて、始めから数ユーロ分のクレジットが付いて売っています。
これを買って、あとは電話するだけです。(あるいはSMSで連絡を取るなど)
もしクレジット残高がなくなったり、あるいはクレジットの有効期限が切れた場合には、
各携帯電話会社や郵便局、あるいはタバコ屋やスーパーマーケットなどでクレジットを買うだけです。
大抵の場合は、各携帯会社のロゴと何ユーロ分のクレジットがあるかが書かれたカードがあって、
それを買うとレジで番号の入ったレシートをくれます。後は、指定された番号に電話をかけ、通話中にそのレシート
の番号を打ち込めば終りです。
この方法が最も簡単で、また銀行口座なども必要なく、契約の縛りもないので、短期の場合には最適です。
ただ、契約する場合と比べると少し料金が割高で、また、インターネットなどもろくに使えないので、少し不便です。
契約型の場合には、各携帯電話会社に行って直接契約をします。主な携帯電話会社は以下です。
Orange
SFR
Bouygues Telecom
Orange が一番通信網がしっかりしていると言われていて、Bouygues Telecom が一番安いと言われています。
また、SFR はその中間と言えます。それぞれ日本の通信会社で例えるならば、
Orange = docomo
SFR = au
Bouygues Telecom = softbank
といった感じでしょうか。ちなみにどの携帯会社でも買える携帯電話はほぼ一緒です。(iPhone もすべてのキャリアで買えます)
なので、後はどの会社のプランが一番自分に合っているのか、そして値段で決めるのがいいと思います。
ちなみに、日本と同様で、2年縛り<1年縛り<縛りなし の順番で値段(携帯電話本体と、月々の通信料)が高くなっています。
この点も気をつけて、契約しましょう。
5) 家探し
外国において家を探すのはとても難しいです。やはり外国人となると支払いの保証をするのが難しく、なかなか契約できません。
なので、割高にはなりますが、通っている学校の紹介で住居を探すのが良いでしょう。
その場合には大きくわけて、ホームステイとアパートの2種類があります。
ホームステイの方が一般的に高く、アパートの方が安くなります。ただ、これは食事を付けるかどうか、そして場所に依るので、
なんとも言えません。パリ市内では、月々€600~800位は最低かかります。
僕自身今年の夏には引越さなければいけないので、そのときにこの部分は更新していきたいと思います。
現在僕の住んでいる大学寮(Meunier)についてちょっと説明します。
この Meunier には8月末(2011年の場合8/25)から入居可で、翌年の6~8月まで住む事ができます。基本的にその後(2年目)は他の
ところに移ります。Meunier には以下の3種類の部屋があります。
①Studio(18m2、一人用) 約560€/月
②Double(32m2、二人用) 390€/月
③Binome(20m2、二人用) 330€/月
入居前(7月頃)にどの部屋がいいかの希望を取りますが、この希望はまずかなわないと思った方が良さそうです。今年も去年も日本人
の多くが①>②>③で希望しましたが、ほぼ全員が③に割り当てられていました。ただ、抗議すれば(直接事務室に行って話たり
メールを送れば)上手く行けば①に変更できる可能性があります。ただ、強くしつこく要求しないと変更するのは難しいです。
Meunier には基本的なもの(ベット、棚、電灯、食器類、シーツ・タオル類など)は全て揃っているので、特に買いそろえる必要はありません。
掃除も週に1回入ってくれます。ただ、寝具に関してはシーツと毛布しかないので、布団などが欲しい場合には買うといいでしょう。
(僕の場合は寝袋を買って、それを広げて布団代わりにしています。また、11月頃からは暖房が入るので夜でもそれほど寒くはないです。)
Meunier で住む場合にいくつか注意する必要があります。
※鍵をドアの内側に挿したままドアを閉めない。ドアが開かなくなって、技術者を呼んで開けてもらうのに50€かかります。
※家賃は毎月1日~10日に払う。それ以降に払うと罰金が課されます。(5日遅れるごとに5€だったはず)
※郵送の手紙や小包は受付に届いているから、受付に行って何か届いていないか定期的に聞いてみる。
※Meunierとの契約は4月末までなので、5月以降も住み続けたい場合BVE(学生科事務)に行って住み続けたいという旨の手紙を提出し、
サインをもらう必要があります。
※退去1ヶ月ほど前にはMeunier側に何日に引っ越しをするかを伝える必要があります。まずは書類に必要事項を記入し、それをBVEに提出、
そこでサインをもらった後にMeunierの受付に出します。これでOKです。
※Etat de lieuという退出時の部屋状況の確認をする必要があるのですが、これは基本的にMeunierの管理人の方と一緒に確認するのですが、
日程の関係上無理な場合には、事前にその旨を伝えておけばこれに立ち会わなくても大丈夫(いつでも好きなときに出発できる)なように
なります。まずはMeunierの受付で相談してみて下さい。
などあります。Meunier に住む場合には気をつけて下さい。
6) 住宅保険
自分の名義で住居に住む際には、住宅保険が必要になります。これはホームステイなどの自分名義で家を借りてない場合は除きます。
ただ、大学の寮など基本的にCAFで住宅補助金をもらっている場合には住宅保険に入る必要があります。
住宅保険は学生であれば社会保険などと同じ保険会社で申し込むことができます。あるいは銀行で申し込むこともできます。
僕の場合は銀行で住宅保険を申し込みました。後から気づいたのですが、LCLでは学生向けに初年度1€のキャンペーンをやっています。
また、Société Générale でも最初の3ヶ月無料などのキャンペーンがあります。各銀行のキャンペーンを比べてみるのがいいでしょう。
7) ビザの更新
ビザの有効期限の2ヶ月前からビザの更新をすることができます。ただ、この新しいビザの有効期限は発行日から1年間以内で
かつ大学の年度が終わるとき(フランスの主な大学では8~9月まで)には切れます。
すなわち、僕自身の場合、3月末に古いビザの有効期限が切れるので、4月初めから新しいビザが有効になりますが、大学の
2011-2012年度が2011年9月~2012年8月なので、ビザの有効期限も8月末付近になります。よって、また9月以降にビザの
更新をする必要がでてきます。
(僕と同じプログラムの場合、2011年4月~2012年3月、2012年4月~2012年8月、2012年9月~2012年2月(8月)の計3個、
すなわち2回のビザの更新が必要になります。)
ただ注意しなければいけないのは、更新可能なのが有効期限2ヶ月前からであって、その手続きを始めるのが2ヶ月前だともう
遅いということになる可能性が高いというところです。
フランスでは色々な手続きに時間がかかるので、実際には有効期限の3ヶ月前くらいから動き始める(書類を集めたり、
予約を取ったりする)のがいいでしょう。
一般的には現在住んでいるところの県庁で手続きを進めますが、大学や大きな語学学校では学校と一緒に手続きをする場合もあります。
僕自身は大学が主な手続きを代行してくれるので、その場合について説明します。
まず大学の事務に行って、必要な書類のリストと、申し込み書(2枚)をもらいます。必要な書類は、
住居証明書、学校在籍証明書、今までの学校の成績と学位の証明書、収入証明(あるいは奨学金受け取り証明書)、証明写真3枚
パスポートのビザ関係の全てのページのコピー、出生届け(あるいは戸籍抄本の仏訳)、健康診断書などです。
申込書には自分の名前などの基本情報と、家族関係、学業・就業計画、サインなどを書きます。
これらを大学の事務に提出すると、それら書類を県庁に送ってくれます。そしてあとはビザ(滞在許可証)が来るのを待つだけです。
僕の場合はこれら手続きが完了してからビザが来るまで約2ヶ月かかりました。
ただしこれは早かったほうで、2ヶ月以上かかる場合が多いようです。そのため、この更新手続きは早めにした方が絶対にいいでしょう!
また、この新しいビザ(Titre de séjour)を受け取ったら、早めにCAFにこのカードのコピーを送りましょう。
僕の場合はこの新しいビザのコピーをCAFに送ったのですが、CAF側でなかなか書類受け取りの事務が進まず、
僕のビザがもう切れていると認識されてCAFの補助金が途切れてしまいました。
電話をしたところちゃんと対応してくれて何とかなったのですが、メールでは全く返事がないので、問題がある場合には直接電話を
した方がよいでしょう。
8) 社会保険 (Sécurité Sociale)
フランスの大学に正規で在学する場合、社会保険に入ることが義務づけられています。個人的に語学学校に行く場合や3ヶ月以内の
ビザなしで短期で行く場合には基本的に社会保険に入る必要はありません。この場合には各自で海外留学保険に入りましょう。
社会保険に関しては、学校側からどんな保険会社があるのか、どれに入ればいいのかについて恐らく説明があると思います。
それに合わせて必要な書類を集めて、そして事務所に行ってそれら書類とともに手続きを進めれば大丈夫です。
フランス政府奨学金給費者はこの社会保険費用が免除されます。社会保険を申し込むときに奨学金受給証明書を見せましょう。
そうすれば何も払わずに社会保険に入ることができます。
(僕の場合はお金を払ってあとで返金という仕組みではなく、費用負担免除なので元々払う必要がありませんでした。
ポンゼショセの場合、学費に関しても一度払う必要はなく、奨学金受給証明書を提出すれば手続きが進みます。)
一つ注意が必要なのは、Sécurité Sociale (社会保険:必須)と Mutuelle (共済保険:必須ではない)の会社が異なる可能性が
あるということです。社会保険というのはフランスの大学に所属する場合には必ず必要で、この保険に入ることで医療費などが
ある程度まかなわれます(恐らく70%。すなわち30%負担)。全額負担してもらいたい場合などには共済保険に入ることもできます。
すなわち、より補償内容を手厚くしたい場合にはMutuelleに入ります。
僕の場合には奨学金のお陰でこれら費用を払う必要がなかったのですが、実はこの社会保険を共済保険の会社が違っていて、
大変苦労しました。(最初の10ヶ月、このように会社が違うということさえも理解しておらず、いくらか損をしました。)
普通の場合(自分で費用を負担する)には、どれか一社(ポンゼショセの場合には普通 Smerep か LMDE)を選んで、そこで
全て手続きを済ませます。ただし、僕の場合には社会保険がLMDE、共済保険がSmerepだったので、病院に行った場合には
全て書類を二部もらう必要があったようです。とりあえず、奨学金担当者の方に聞くなどして、自分の保険がどうなっているのかを
詳しく聞いた方が良さそうです。
9) 住宅補助金 (CAF)
フランスで自分の名義で家あるいは部屋を借りる場合、政府補助金を受け取ることができます。
この補助金は結構多い(100~250€くらい)ので、絶対に申し込んだ方がいいです(この金額は収入、奨学金の有無、家族状況などに依ります)。
まずインターネットでCAF のサイトに行き、色々な質問に答えていきます。そして最後にこれら情報が組み込まれた書類を印刷します。
そしてその書類の必要な部分を記入していき、またこの書類の一部(5枚中2枚ほど)は 家主(あるいは寮の管理人)に渡して必要部分を
記入してもらいます。そして最後にこれら書類を回収してまとめた後、必要書類(住居証明、在学証明、銀行口座証明、出生届けなど)
を添付して郵送します。必要書類に不備がある場合には手紙が来るので、その指示に従って追加の必要書類を郵送しましょう。
全ての書類が揃うと補助金を受け取ることができます。受け取り方法は、銀行口座に振り込まれる場合と家主(寮の管理人)に直接
振り込まれる場合があります。また、この受け取りは多少遅れ(ズレ)ます。例えば、9月分の補助金は9月末に受け取ります。
また、手続きには2~3ヶ月かかるので、初めの数ヶ月分は手続き完了後に一気に支払われます。
(例えば本来9月分から補助金が支払われるものの、手続きに時間がかかって11月末に最初の補助金を受け取る場合、この時にまとめて
9月、10月、11月分の補助金を受け取ります。その後は毎月末にその月の分の補助金を受け取ります。)
一つ注意しなければいけないのは、初めの月分は支払われないところです。もし9/2から住み始めた場合、9月分の補助金は受け取れません。
逆に8/31から住み始めた場合、8月分は受け取れませんが、9月分からはしっかりと全額受け取れます。なので、僕と同じプログラムで
Meunier に住む場合には、8/31までに住み始めた方がCAF 的には良さそうです。
(どちらにしろ9/1から大学での事務手続きが始まるので、遅くとも8/31夜あるいは9/1朝にはパリに到着している必要があります。)
住んでいる住居を退出する場合には、CAFに事前に連絡をして、何日(何月末まで)に退出するかを伝える必要があります。
この手続き(書類の郵送)は引っ越しをする1ヶ月ほど前までにはした方がよいでしょう。
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