フランスってどんな国? 2011/07/27

フランスってどんな国? どんな国民性? ってよく聞かれます。日本人の友達はもちろんのこと、フランス人にも聞かれます。

この間、ベンチに座ってのんびりしていたら横に座った老夫婦の人がフランス人をどう思うかって僕に聞いてきました。

まだ4ヶ月しか住んでいませんが、僕にとっての答えはすごくシンプルです。

「フランス」=「個人主義の発達した国」

この言葉が結構色々なことを説明してると思います。(もちろん”国民性<個人差”だと思うので、みんながみんなそんなんではないです!)

例 えば会社において。フランスではチームワークが上手くいかないといいます。日本では上下関係がしっかりしていて、

上が下に命令し、下はそれをちゃんと遂行 するといったイメージがあります。

だから命令が来るまでは自発的に仕事をしないし、いいリーダーが居ないと上手く機能しません。

一方で、フランスでは勝手 にどんどん仕事をするということを聞きました。しかし、他人との連携は上手くいかず、

最終的にチームで成果をまとめてみるとみんなバラバラみたいなことが 起きるとか。

ここに個人主義が存在しているような気がします。また、日本のように「

周りの人の目や自分だけが休むことに対して気がかりになって有給休暇が 取れない」とか、

「仕事の後に上司と付き合いで飲みにいく」なんてことはありません。あくまで仕事で一緒に働いているだけであって、

プライベートは個人の 自由な時間です。気の合う同僚と飲みに行くもよし、家に帰って家族と時間を過ごすのもよし、

全ては自分次第です。一年間の内、休暇が約5週間もあるのもこの理由からだと思います。

会社として最適な業務結果を出すというより、自分のプライベートライフの方が重要なわけです。

自 分自身で個人主義を感じたのは、サービス業です。例えば日本では、スーパーや飲食店などで

お客さんが多くて忙しくしていれば、少しは規定時間以上に働いた りしますよね。

これは同僚が大変そうだからとか、お客さんが待っていて助けなきゃって思うからとかっていう

他人への思いやりが大きな理由だと思います。で も、フランスは違います。

例えばスーパーで18時に閉まる場合、17時50分に行ったら入れてくれないこともあります。

これは18時には自 分の仕事を終えたいからです。あるいはSNCF(国鉄)の券売り場では、

あと何分でその窓口が閉まるかが表示されています。どんなにお客さんが列をなして 待っていても、

どんなに他の窓口の同僚が忙しそうにしていても、時間がくれば窓口を閉めて、他の人と裏方でしゃべっています。

だってその人の仕事時間は終 わったわけで、働かないのはその人の権利であるから。

あるいは勉強でも個人主義の傾向は見られるようです。例えばグループワークにおいて、

日本ではある程度他の人の負担も考えてみんなで作業を分担しようとします(もちろん毎回こんなんではないですが:(!!!)。

フランスでは期限直前まで全然働かない場合もあるようです。結局自分の評価に影響がでるギリギリまでは働かず、

最後に本当に成績に影響しそうになったら動き始めるようです。

こ こまでに言及してきた「個人主義」というのは少しネガティブな印象を与えるかもしれません。

でも、ポジティブな点も沢山あります。僕自身、日本とフランス どっちが好きって言われても、答えられません。

どっちにもいい点、悪い点があるし、どっちも好きだし嫌いだから。これから述べるのは、日本に関して嫌いで、

フランスに関して好きな点です。

例えば、日本では「A 君って一人でいるといいやつなんだけど、B,C君とかとグループでいるとちょっとね。。。」

なんてことが多々あると思います。一人でいるときはいいやつで あっても、他の人と集まると少し強気になったり、

相手を傷つけるようなことを言ったりと。いい人格を持っていても、グループの方針に従ったり、周りの人の 意見に同調したりします。

だからいじめも多いような気がします。グループが強く存在するからこそ、仲間はずれを見つけようとするし、

誰かがいじめられてい ても、他の人は自分がグループから抜けるのが怖いから勇気をもってその人を助けられなくなります。

もちろんフランスでもいじめはあるでしょう。でも、それ は一部の人間が一部の人間をいじめるわけで(一対一あるいは複数対複数)、

日本のようにグループ全体で一人に圧力をかけるのとは違うような気がします。

あと、日本人が上司に対してNO と言えないのもどうかと思います。僕自身バイト先で上司に歯向かったがために大変な思いをしましたが、

フランスではまだ上司との関係がより柔軟であると思 います。日本では基本敬語ですが、フランスでは結構tu(親しい人に使う言葉)で話します。

また、日本では上司あるいは同僚との関係が重要であって、そこ の関係維持に努力を注ぎます。

これは同じ仲間としての連帯関係を感じているからであって、フランスではただ一緒に働いている人に過ぎません。

僕にとっては こっちの方が気が楽な気がします。

あと、僕にとって面白いのは、フランス人にとって

フランス人<自分

である場合が多いことです。例えばフランスといえばツールドフランスが有名ですが、「自転車する?」 と聞くと、「しないよ」と。

「フランスは有名なのになんでしないの?」「フランス人だろうとなんだろうと、自分が好きじゃないから」と言われます。

質問し た自分がばかでした。あと、例えば僕がすしが嫌いで食べないというと、「そうなんだ」って返されるのみ。

いくら日本がすしで有名でも、それを好きか嫌いに なるかは自分次第であるっていう考えがあるからかも知れません。

また、フランスの銀行で色々ともめ事があった際に「フランスのサービスは嫌いだ」といった ところ、

「フランス人として残念に思う」という返答はなく、「そういうこともちょこちょこあるよね。ドンマイ」という返事や、

「その店員にちゃんと文句を 言った方がいいよ」などと、フランス人としての返信というより、ある一人の友達としての返信がほとんどでした。

今 まで書いたことは毎回当てはまるわけでは当然ありません。

周りのことをよく考えて自分の行動を決めるフランス人も実際に見てきたし、個人主義の発達した日 本人も見てきました。

ただ、こっちに来て色々なことを目にしてきたところ、フランス人の中に「個人主義」が発達していると考えると

色々なことが上手く説明 できます。また、一般的にみると実際にそうであるような気がします。

今このような議論をしていること自体、自分が日本人であることをよーく感じます。

1~2年後には「国民性」なんてことについて考えていることすらなくなってるかもしれません!!!

Shohei's Travels

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